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フルサイズは必要か?

センサーの違い
同じ焦点距離のレンズで撮った場合の、映像素子の大きさによる画角の違い

今さら・・・35mmフィルムと同じ画角(感覚)で撮れるからフルサイズがイイ。なんてつもりはなかった。
APS-Cでの感覚にすっかり馴染んだし、弱点であった広角もレンズの充実で不自由はなくなった。
では何故フルサイズだったのか?
D3前
あたかもフルサイズがデジ一の最終形で、今後映像素子の制作コストが下がれば全てのデジイチがフルサイズになる。
フルサイズが全てに於いて優れていると疑わなかった私。ならば先駆けてフルサイズにしておけば間違いないだろうと思っていた。
なのでもっとフルサイズ仲間を増やそうと(笑)フルサイズはいいよ〜の記事を作っていたのだが・・・

当初はAPS-Cと撮り比べの写真比較で一目瞭然!と思ったが、webだとその違いが良く判らない(笑)(だったら既に必要無いじゃん^^;)
ならば理屈でと思って色々調べながら進めて行くと、フルサイズが必ずしも優れている訳ではないような。。。
小型な映像素子はそれはそれでメリットも多いと言う事が判ってきて、少し大人になってます(笑)
ココで優劣を述べられる程単純な事ではないですが、最近思っている事を少しまとめてみました。

■デジタル一眼はボディだけでなくレンズの性能も大切。
こと映像素子(カメラボディ)に関して言えば、やはり大きいものは、製造コストが高いのを除けば、技術的にも写真的にも有利である事には間違いない気がする。(フィルムだって大きい方が有利)
同じ画素数であれば、画素ピッチが大きくとれ、ゆとりある設計でISO感度やS/N比を上げるのが容易になる。高画素化への可能性も大きい。

がしかし、一眼レフは交換レンズによってもその性能は左右されるので、レンズも重要。
レンズについても映像素子が大きい方が良いのか、小さい方がいいのか考える必要があったのです(←これを忘れてました)

私がレンズに求めるものは。
 ○明るい開放F値(但し開放から充分な性能を示すもの)
 ○コントラストと解像感の高い再現性
 ○出来ればコンパクト&軽量
 ○AFの早さ
 ○周辺光量落ちの少ない事
 ○ゴースト&フレアに強い事

となり、フルサイズ用レンズはイメージサークルが大きくなることから、これらの性能を追求すると
APS-C専用と比較して
 ●大きくなる
 ●高価になる
とマイナスメリットばかり。しかもAPS-C専用レンズは使えないし・・・
強いてあげれば広角では有利で、MF時代の名器と言われるレンズやツァイスなど選択肢が広がり、その性能をフルに活かす事が出来る。という事ぐらいでしょうか?人によってはちっとも良い所は無い。

■映像素子小型化のメリット・デメリット
3/4ここにAPS-Cより更に小さな、デジタル一眼の新たな規格となるフォーサーズの有利性を判り易く説明したサイトがある。

フォーサーズのベネフィット説明

これを見ると映像素子が小さい方がレンズ設計には有利で、コストも押さえられるというのが容易に理解出来る。
私も3ヶ月近く使用して、それは実感している。例えばレンズ性能の一つである周辺光量落ち。
これはAPS-Cではどんなレンズを使ってもあまり気になる事はなかったのだが、フルサイズで撮るとレンズによってはもの凄く気になる。やはり安価なレンズほど顕著な傾向で、この性能部分だけを見てもレンズの価格差による違いをシビアに実感する。

レンズの事だけ考えれば映像素子は小さい方が経済的そうだ。
がしかし、このサイトでは映像素子小型化によるカメラ側のデメリットは書かれていない。小さくなればより高度なエレクトロニクス技術が必要なわけで、現状ではやはり小さな映像素子のカメラは不利だと言わざるを得ない。
極端な話し、2/3inchという小さな映像素子を使っているコンパクトデジタルは例え1000万画素を越える様なスペックでも、一デジに比べトータルな性能で劣る。現にフォーサーズフォーマットカメラは一様に高ISO性能が劣っていて、私には魅力の無いカメラになっているのだ。

つまり現状の技術では(広角を除き概ね)レンズに於いては映像素子が小さい方が有利だが、カメラ的には不利なのである。


■デジタル一眼の将来
だが(スイマセン肯定したり否定したりで)それはあくまで技術的な事で現状での話し。
今後もエレクトロニクスはどんどん進化し、フォーサーズやAPS-Cサイズとフルサイズの再現性の差はどんどん無くなっていく可能性は充分にある。少なくとも普通の人の目で見る限り判別出来ないくらいになるのは、そう遠い将来ではないだろう。
もちろんレンズなどのメカトロニクスの部分も進化するだろうが、レンズ製造コストの極端な低下やサイズダウンは望めないので、今後ますます小さな映像素子の優位性は上がっていくだろう。

ということでレンズまで含めて総合的に考えると、フルサイズ化は大きい高いの悪循環。
現状高ISO性能が必要無い人や、望遠を多用する人にはフルサイズは無駄なような気がする。
事実、星空写真以外では価格に見合った(レンズ代含め)メリットは感じない。買った当時感動したファインダーもアッと言う間に慣れてしまった。フォーサーズとは言わないまでもAPS-Cサイズで良かったのかも?なんて思う今日この頃なのです。





と・・・・理屈では判っていても、映像素子が大きいってなんか魅力なんですよね。
大きければ大きい程被写界深度は浅くなり(ボケが強くなる)、同じ技術で作るなら写真的には有利だと思うし。。。

判っちゃいますが、今コレがとっても気になります↓(長い前置きでした)
カメラ的にはクセモノらしいですが、映像素子が大きいってだけで欲しくなる^^;;(懲りないヤツ)







DP-1
APS-Cサイズの映像素子を持った(しかもフォビオンセンサー)コンパクトデジタル。SIGMA DP-1

ニコンでこんなコンデジ発売されたら速効買いなんだけど。。。




【付録】

映像素子原寸各映像素子の大きさ比較です。コンデジで1000万画素ってある意味凄い事ですよね。レンズの解像度が追いついてるのかな?と心配になってしまいます。
逆に言うと2/3型CCD1000万画素の画素ピッチでフルサイズ映像素子を作ると、何と1億4200万画素!!のデジカメが出来ちゃいます(驚)
※)Mac標準の86dpiで見た場合に、ほぼ原寸大で見えるよう作成したつもりです。(Winで見ると少し大きく見えます)

各映像素子の比較表
映像素子比較
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2008.03.07 Fri 00:08:: - :: -