Life with dog
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常念山脈縦走ロケ

満天星!
Nikon D3 AF-S 14-24mm F2.8G
ここは北アルプス・大天井岳にある標高2900mのテント場。
ずっと憧れだった地での想い描いていた以上の夜。

360°視界全てに降り注ぐ星に圧倒される。まさに大天井・・・
天の川が見えるってのはこういうことか!満天の星空とはこのことか!
まるでスーパープラネタリウムに居る様な、あまりのスゴさに震えと鳥肌が止まらない。
平地とは異次元・・・というより宇宙を見た様な感動体験でした。


のが救いだった久しぶりの無雪期登山。
日中はガスガスで視界不良他の為、行程を短縮して無念の下山。
なので今回はロケハンということで。。。とっておきの天気の時にリベンジです。

体調がイイ。この20年で一番イイかもしれない。
仕事一筋(爆)&夜遊びで超不摂生だった30代。バロンを迎えてから徐々に健全な生活になってゆくも30代のツケは尾を引き、ブヨボロな身体・・・。
これはマズい。もっとアウトドアを広く楽しみたい。せめて人並みに(←ここ重要)楽しく山歩きが出来るように、そして漕げるようになりたいと2年前から始めたジョギング&減量。少しずつだが成果を感じてきている。

もちろん登山は競争ではないから、個々のペースで楽しめばいいんだけど、標準タイムで歩けるようになると計画が立て易い。そして1泊2日という週末だけを利用しての行動範囲がぐっと広がる。早く歩ければ目指す山の選択肢が広がるのだ。

ということで今年はまだ残雪がたっぷり残ってるGW明けに成果を試したかった。だがその頃から原因不明の背筋痛と肩こりで歩く事もままならない状態が2週間程続き、やっと直ったと思ったら今度は突発的な痛風(風)の症状でまた2週間程歩けない体調。とそのトラウマ。

天気はいいのに。山登りには絶好そうなのに歩けないもどかしさ。ジョグが出来ない焦り。そしてそのまま梅雨入りしちゃって残雪の山歩きはジ・エンドになってしまった。


あれから2ヶ月。体調は万全。健康ってイイ。そして健康を試したいと思う日々。
ということで待ちに待った登山を計画。
何処に行こうか迷ったけれど、じつはこの"人並みに山歩きがしたい" "行動範囲を広げたい"と思ったのは、今回の常念山脈に、中でも大天井岳にぜひとも行きたかったからなのです。

というのも、ピークハントよりどちらかというと写真が登山の目的の私。数々の山に登ってるB型で^^岳人なエドヤマさんが以前教えてくれた「星空撮るなら大天井のテン場がイイ」(恐らく私の現実的な所の中でという意だと思う)が気になって、気になって。
そんなスゴい所なら直ぐに行ってみようと調べると・・・メチャ深い(汗)

当時の体力&技術では、燕で1泊、大天井で1泊、帰路1泊と最低でも3泊4日を要する場所。
しかもどうせなら北アルプスの表銀座と言われる常念山脈を縦走して捉えてみたい。なんて思うと1週間程要すのでますます非現実なものとなっていた。

だが人並みに歩ければ、合戦尾根を通って一気に大天井まで行ければ1泊で可能。そしてそれが可能であれば翌日は常念岳を経由して蝶ケ岳まで、翌日は上高地へと2泊3日で常念山脈の主稜線を制覇出来るのだ。

ということで"目指せ大天井岳へテン泊で"を目標にジョグを(ゆるく)励む日々。常念山脈だけど目標は常念岳じゃなく大天井、しかも山頂じゃなくテン場、そして昼間じゃなく夜がメインというところがミソなのです^^

そして今回、ちょっと成果を感じて来ていたし体調もいい。
まだ時期早応な気もするけど、
憧れの大天井岳へ、
そして常念山脈を2泊3日で歩いてみることにした。

いい気になって重装備で・・・






縦走路


当初の計画は、
【1日目中房温泉ー大天荘 10.5時間】
6:30中房ー10:00合戦小屋ー11:30燕山荘ー13:00燕岳ー14:00燕山荘ー16:00切通岩ー17:00大天荘

【2日目大天荘ー蝶ケ岳ヒュッテ 8時間】
6:00大天荘ー7:00東天井岳ー9:00常念乗越ー10:00常念岳ー13:00蝶槍ー14:00蝶ケ岳ヒュッテ

【3日目蝶ケ岳ヒュッテー上高地 5時間】
5:00蝶ケ岳ヒュッテー5:30長塀山ー8:30徳沢園ー9:00明神館ー10:00上高地

と標準タイムに撮影という名の休憩時間を加味した、常念山脈を2泊3日で巡る(私には)Max縦走コース。

本当はムーンライト信州を利用したかったけど直前過ぎて予約が取れず・・・穂高駅近くの無料駐車場に車を置き、穂高駅からバスで中房温泉へ、上高地からは バス&電車で穂高駅まで戻ってくる計画でした。

木曜日夜、自宅を10時半に出発して穂高駅駐車場にはAM2時頃到着。
今回の計画の要は、明朝の5時発の中房温泉行きのバスに乗る事。万一乗り過ごすと次は8時となってしまい、大天井には行けず計画がズタズタになってしまう。
寝過ごしたら大変という気持ちと興奮で寝付けない。結局少しうとうとしただけで、少し早めに穂高駅に向かう事にした。

まだ夜明け前の穂高駅。本来ならばムーンライト信州の到着に合わせ、5:05が始発バスなのだが、どうやら既に多くの人が待っていたようで4:30前に臨時便が出発していった。
が満乗車で私は乗れず(そんなの知っていたら、うだうだしてないでもっと早く駅に来れば良かった)
結局定時の始発で小1時間程で中房温泉へ。軽く朝食を食べて予定通り6:30に登山を開始した。

今回の登山、完遂出来るのかと不安に思いつつ、北アルプス屈指の大展望、そして夜が楽しみな、、、というかそれが目的だからカメラはD3。それとレンズもほぼフルラインナップで三脚を含めると撮影機材だけで9kg超。
食やアルコールをバッサリ削ったけど2泊のテン泊の装備や水を含めると26kg超と初体験の重さ(汗)
そしてザックはオスプレーのイーサ70L。あまり背負い心地がよろしくないけど、ポケット等の機能性は抜群なので便利さを重視してしまった。

と重いけれど、ザックが不安だけど、なんとかなるだろう思っていたのですが・・・
なんとかなりませんでした^^;(だいたい段々キツくなるのになんとかなる訳ないっスよ)

よろしくないイーサ”人並みに”とは言いつつ、じつはちょっと自信があった今回(爆)だがみんな早い早い。ほぼ時間通り登っているけど、どんどん抜かされる。しかもみんな明らかに年長。標準タイムって何?とちょっと自信を失いつつ、ここを登る人はみんな健脚なんだ!と言い聞かせてマイペースで登る。

稜線へ出さえすれば、ここさえ登り切れば、後は絶景が引っ張って行ってくれる。大展望が後押ししてくれると頑張って、なんとか燕稜線に登り切る。

がしかし・・・北アルプスは全て濃いガスの中。
嗚呼。私の牽引役が、、、エンジンが、、、無い(涙)

でも山の天気は変わり易いから・・・と一応燕岳山頂部を目指すもガスの中、その後もほとんどガスの中で大天井へ向かう。
本来なら右手に3000m級の北アルプスの峰々を眺めながら、左には安曇野市街を見下ろして、そして目指す大天井岳を見ながらのワクワクの稜線歩きのはず。セルフ撮りのイメージもいろいろ考えていた(爆)

だが全てが叶わず、眠いし、だるいし、そして荷が重い!肩が痛い(>_<) まるで悪夢の中を彷徨い歩いてる様。
でもまもなく・・・テントの中で解き放たれる!ビールが飲める!そろそろ終盤だ!と思っていたら・・・


これを登るのかよ!一瞬ガスが晴れて大きな山が進行方向に薄ら現れた。
大天井へは最後は登るのは判っていたけど、これじゃないよね?まさかだよね?だったら無理!絶対無理!と思うくらい大きく立ちはだかる岩塊。
高低差は400m以上ありそうだ。しかもこの先一旦下ってるし・・・テン場はほぼ山頂近く。ひょっとして槍では?(爆)なんてしょーもない事を思って気を紛らわしてみたり。。。

だが疑う余地も無く大天井岳なわけで、ここは北アルプスなわけで・・・昨年行った鳳凰三山は3つのピークがあるけど縦走とは言わないんだそうで、今を思えば確かにピークはちょっとした起伏に過ぎない。本当の縦走ってのはこういうものなんだ!稜線を歩いていてもピークは立派な山なんだと思い知ることに。

恐らく・・・燕からこの山容が見えてたらヤメてたかもしれない。見えなかったのが良かったのか悪かったのか。
もう戻るのだって大変だから、進むことは進むけど、ちょっと寝かせてくれ〜と20分くらい仮眠してのヤケクソ登山。

終盤、部分的にガスが無くなり絶好のセルフ撮りチャンスもあったけど、もう10mとして余計に歩きたくない気分だったので、結局この日はセルフゼロ(私としたことが!)一目散に大天荘へ向かっちゃいました。
天空のロケーションをイメージしていた大天荘は・・・

やっぱり素晴らしいロケーション!槍穂高連峰が絶景!苦労した甲斐があった!
何処にテント張ろうかな〜♪夕景が楽しみ♪夜が楽しみー♪

なんて感動は微塵も無い視界ゼロのガスガスの山頂部。
テン場の状況も掴めないので、空いてる所にテント張って、生ビールを飲んでとりあえずフテ寝です。

駐車場 山屋 穂高駅 トイレ バス 中房温泉 開始 第一ベンチ 急登 ワンゲル もう直ぐ合戦小屋 合戦小屋 スイカ 花崗岩 燕山荘到着 燕へ 山頂 ガス晴れる テン場 少し明るく 稜線が 燕岳 雲上歩き またガス 大天井 大天井への巻き道 縦走路 大天荘 テント設営 乾杯!



日の出前は快晴だったのに・・・1時間ほど寝て6:30頃一度起きる。依然ガスガスで夕焼けはまったく期待出来ない状況。
うだうだ夕食を食べていると一寸晴れるがまたガスの中。なので夜中に期待を託し寝ちゃう事にしました(神様お願い・・・)

たっぷりと寝たAM1時頃。気持ちよく目覚めなんだか良い予感がして、外に出てみると満天の星空!マジ!?夢?
凄まじい星の数だ。なんかの流星群だったっけ?思うくらい流れ星もスゴい(絶句)天の川だって"あれ天の川かな?"ぢゃなく"天の川!"って感じ。

・・・だがめまぐるしく変わる山の天気。ビカーっと晴れてたかと思うとガスが流れて来て漆黒に。を繰り返す。
もうアングルもレンズも考える余地の無い星空撮影で、充分とはいえないけれど、念願の大天井での星空を拝めて大興奮。やっぱり来て良かったと思う夜でした。


明け方。まだ太陽は出てないけど付近が明るくなるとようやくテン場の全貌が掴める(こんなだったのか)同時に西側には穂高や槍の峰々が!
もう少し経てば、日が出れば・・・これが赤く染まる・・・という瞬間。テン場はまた濃いガスの中(大涙)日の出も朝焼けも撮れず再び視界不良の状態になるという、今回は全てがこんなチラリズムでした。


ガスガスさて今日の行程。6:00に出発して蝶ケ岳を目指す予定ですが、天気が悪いのでだらだら。肩の痛みも引くどころかミミズ腫れになっている。蝶ケ岳まで保つだろうか・・・

いずれにしても先へ進もうと、天候の回復を待ちましたが、状況は変わらず7:00出発。
大天井〜常念乗越もずーっと深いガスの中。北アルプスの展望はもちろん望めず、横通岳をほぼ降りて来た所でようやく常念小屋が判るほどの視界。ガスもまた幻想的なんて美しいものではなく、何も見えないのです。

分岐点となる常念乗越で暫し悩む。常念小屋で天気を聞いてみるも明日も同じような天気らしい。
この重いザックを担いでガスガスの山頂に登り天候の回復に掛けてみるか。
それとも蝶ケ岳〜上高地は諦め、一の沢へ降りてしまうか。

悩みに悩んだけど、やはり肩の痛みがどうにもならない、このまま皮でも向けたら地獄だ!と思い撤退。
やはりまだ時期早応、舐め過ぎました。無念だ!

ということでザックをデポして常念岳をピストンして一の沢を降りる。
最近は登りより下りが嫌な私。比較的楽かな?と思った一の沢登山道はけっこう辛かった。
カメラをザックにしまって、ザックを後ろ手で支え、肩に負担がかからないように下る。それでも段差の大きい所はメチャ辛くて泣きそうになりながらの下山でした。
一の沢からは、常念小屋で予約しておいたタクシーで穂高駅へ。4600円でした。


とまあ展望はほぼ無いし、散々だった山行。雨が降らなかったのがまだ幸い。
いつものようにもう山は二度とごめんだ!蝶ケ岳はもういいや!と降りちゃったわけですが、落ち着いてみるとやっぱり上高地まで行けばよかった。と早くも後悔。
槍穂の展望はほぼ白紙だし、近いうちにまた新たな気持ちで訪れたいな。と今は思うのです。山って不思議だ

今週末はペルセウス流星群なんだよなー。どんだけの流星が!なんて思うともうワクワク。
大天井だけのピストンでもいいかな^^(最後の地獄の登りも忘れてる!)

夕食 火気 AM2時 槍穂高 霞む・・・ もう直ぐ ガスガス 三脚 常念小屋 乗越 一瞬の晴間 山頂



 FSP2.gif燕岳 大下り 蛙岩 青空 縦走路 一番星 天の川 槍穂高 もう直ぐ日の出 セルフ



Trekking report : Edit
2010.08.12 Thu 00:11:: - :: -