5年ぶりの牡鹿半島
2011年3月11日の東日本大震災により甚大な被害を受けた東北太平洋沿岸。
前年の秋に念願だったフェザークラフト・カフナを手に入れ、今夏は三陸の海を漕ぐぞと思った矢先の出来事だった。
震災後に初めて沿岸を訪れたのは2012年の4月。ほぼ1年を経過して尚まだ手つかずといった感じの凄まじい爪痕を見て、(心理的にも物理的にも)果たしてまた遊べる日が来るのだろうか?と思ったものだった。
その後もFC艇を持って度々訪れていた三陸海岸。だけど漕がなかった。漕ぐ気分になれなかった。
今回も半ば偵察のつもりで5年前に訪れた牡鹿半島の十八成浜(くぐなりはま)に向かったのですが、現地でお遭いしたSUP乗りの方の勧めもあり、漕いで来ました。
金曜日の夜、仕事先から直行で仙台へ。
大谷P.A.から蔵王P.A.まで、カナダ人のヒッチハイカーさんと一緒しました。
初めてのハイカーさん同乗で最初は緊張しましたが、なかなか興味深い旅をしてる人で話しも巧みでヒッチハイク慣れしてるなーという感じ。そのテクニックや珍道中を聞いて私もヒッチハイクで旅してみたくなりました。
ちなみに彼の目的地は熊本。東北回って行っても大差無いという感覚に大国育ちを感じました。
仙台の実家には立ち寄らず、途中のPAで車泊して十八成浜へは7:30に到着。
まだまだ途中という感は否めませんが、各港の復興が進んでいて活気を感じました。ではありますが生活基盤施設以外はまだ手つかずといった状況。ここ十八成浜も震災後のままと言った感じです。
かつてあった綺麗な公園は、地盤沈下&浸食で1/10程に。コンクリート造りの立派なトイレ&シャワー施設も津波で流されたのでしょうか消失してます。
にもかかわらず松林は少し残っていて正に奇跡の松という感じです。
震災前の十八成公園はこんな感じでした。
公園を囲っていた堤防は海に沈み、遠浅だった海岸も砂浜がかろうじてある感じ、沖にある消波ブロックもほぼ水没していて1mほど落ちたという地盤沈下を感じます。
墓石でしょうか?海岸に打ち上げられていました。
目の前の道路には復興の為のダンプが行き交い、沿岸は造成工事で働く人々。
んーやっぱり漕ぐって感じでは無いな。と思っていたらSUPの方々が来訪。話しをすると、海綺麗になりましたよ是非遊んで行って下さい。という言葉に押され漕いでみる事に。
朝ご飯を食べつつウィスパーの組立。
島々が点在する美しい海のパノラマ。公園としては崩壊してるとはいえ、グッドロケーションには変わりません。
エントリー地はこんな感じ。
震災前はこんなでした。
SUPはさすがに支度が早いです。
まずは鮫島へ。急に風が出て来て曇ってしまって残念
海は不変ですが、入り江部分にぎっしりあった牡蠣棚がありません。
鮫島到着。満潮(小潮)時ではありますがやはり地盤沈下なのでしょう。陸地がだいぶ減ってしまっています。
先ほどのSUPの方々と再会。
暫し島内を散策して網地島へ向かいます。
5年前に不意に転覆したあたりに差し掛かる。
ここら辺まで来ると太平洋からの大きなウネリがあり、それと内陸からの大型船の造波がタマタマの周期でぶつかったのかな?と今思う。いずれにしてもあの頃のスキルでよくココを漕いだな自分。
網地島・網地港に到着。海峡のウネリが意外に大きくて久しぶりに船酔いしました。
ココのイメージはあまり変わっていませんでしたが、以前の写真を見ると浜はもっと広く、階段ブロックも足した様です。
暫しのんびり。
前回と同じく網地島を回ろうかと思いましたが、天気良くなって来たので田代島を回ってみます。
晴れて来るとモチベーション上がります。
丁度この時が風止まりだったようで、朝は北西の風でしたがこの後南東の風に変わりました。風波が無いと雄大なウネリが返って不気味です。
網地島と田代島の間にある砥面島。以前は浜があった様に思ったのですが、全て切り立った沿岸に見えます。ウネリがスゴくてあまり近寄れません。
時計周りに田代島を周遊。西側に出ると水綺麗ですが上陸出来そうな地がありません。
水も意外に冷たい。
最初は北の大泊港に行きましたが、漁船スロープしかなかったので仁斗田港へ。
沢山の猫が棲息し、日本最北の猫島だという田代島。
島に着くと沢山のニャンコに囲まれほっこりした絵(写真)が撮れるイメージだったのですが・・・
猫っ子一匹出迎えてくれません(寂)見かけもしない。
通りかかった観光客らしき方に尋ねると先ほどの大泊港がメインで、そこから猫神社付近にニャンコがいっぱい居るそうなので島内を歩いて散策してみます。
ガードの支えニャンコ。
第一島ニャンコ発見!なんとカワイイ仔ニャンコでした。しかも二ぴき。カワイイ〜
その後は点々と
ニャンコ目当てなのでしょう。観光客が多いのに驚きました。
判り難いけど、この写真の中に10匹はいます。
30分程歩いてようやく猫神社到着。遠い上にショボい。猫も2ぴきだけでガックリ。
なんて散策してたら風が強くなって来たので急いで帰ります。
まともな向い風でなかなか進まない。この海峡は漁船や作業船?の往来が多くて横断に気を使います。
休みたかったし、晴れてたし、潮引いてたしで鮫島に再上陸。
そしたらグッドロケーションじゃない。やっぱ青空だよなー
手を加えていない自然というのは形は変わるけど美しいまま。
一方で人造物は壊れると醜い。人類の尺度なんていとも簡単に超越してしまう自然の力。
自然に抗うのでは無く、去なさす様な街づくりって出来ないものなのかなとふと思いました。
最後はパリッと撤収。
躊躇していた三陸の海遊びだけれど一度出れば海は海。海上を漕いでいる限りは以前のままの美しい海でした。これを機にどんどん漕いでいこうと思いました。
ただ一つだけ気になったのは、海鳥が極端に減っていた事。あれだけ居た鳥達は何処へ行ったのでしょう。何となく全般に生命力を感じられなかったのが気がかりです。
5年前の風景はコチラ
そして二週間ぶりのバロン&アイリはメチャクチャ可愛かった。久しぶりに有意義な週末でした。
しかし雨と台風はもうたくさん。そろそろ晴れて穏やかな週末であって欲しいです。
前年の秋に念願だったフェザークラフト・カフナを手に入れ、今夏は三陸の海を漕ぐぞと思った矢先の出来事だった。
震災後に初めて沿岸を訪れたのは2012年の4月。ほぼ1年を経過して尚まだ手つかずといった感じの凄まじい爪痕を見て、(心理的にも物理的にも)果たしてまた遊べる日が来るのだろうか?と思ったものだった。
その後もFC艇を持って度々訪れていた三陸海岸。だけど漕がなかった。漕ぐ気分になれなかった。
今回も半ば偵察のつもりで5年前に訪れた牡鹿半島の十八成浜(くぐなりはま)に向かったのですが、現地でお遭いしたSUP乗りの方の勧めもあり、漕いで来ました。
金曜日の夜、仕事先から直行で仙台へ。
大谷P.A.から蔵王P.A.まで、カナダ人のヒッチハイカーさんと一緒しました。
初めてのハイカーさん同乗で最初は緊張しましたが、なかなか興味深い旅をしてる人で話しも巧みでヒッチハイク慣れしてるなーという感じ。そのテクニックや珍道中を聞いて私もヒッチハイクで旅してみたくなりました。
ちなみに彼の目的地は熊本。東北回って行っても大差無いという感覚に大国育ちを感じました。
仙台の実家には立ち寄らず、途中のPAで車泊して十八成浜へは7:30に到着。
まだまだ途中という感は否めませんが、各港の復興が進んでいて活気を感じました。ではありますが生活基盤施設以外はまだ手つかずといった状況。ここ十八成浜も震災後のままと言った感じです。
かつてあった綺麗な公園は、地盤沈下&浸食で1/10程に。コンクリート造りの立派なトイレ&シャワー施設も津波で流されたのでしょうか消失してます。
にもかかわらず松林は少し残っていて正に奇跡の松という感じです。
震災前の十八成公園はこんな感じでした。
公園を囲っていた堤防は海に沈み、遠浅だった海岸も砂浜がかろうじてある感じ、沖にある消波ブロックもほぼ水没していて1mほど落ちたという地盤沈下を感じます。
墓石でしょうか?海岸に打ち上げられていました。
目の前の道路には復興の為のダンプが行き交い、沿岸は造成工事で働く人々。
んーやっぱり漕ぐって感じでは無いな。と思っていたらSUPの方々が来訪。話しをすると、海綺麗になりましたよ是非遊んで行って下さい。という言葉に押され漕いでみる事に。
朝ご飯を食べつつウィスパーの組立。
島々が点在する美しい海のパノラマ。公園としては崩壊してるとはいえ、グッドロケーションには変わりません。
エントリー地はこんな感じ。
震災前はこんなでした。
SUPはさすがに支度が早いです。
まずは鮫島へ。急に風が出て来て曇ってしまって残念
海は不変ですが、入り江部分にぎっしりあった牡蠣棚がありません。
鮫島到着。満潮(小潮)時ではありますがやはり地盤沈下なのでしょう。陸地がだいぶ減ってしまっています。
先ほどのSUPの方々と再会。
暫し島内を散策して網地島へ向かいます。
5年前に不意に転覆したあたりに差し掛かる。
ここら辺まで来ると太平洋からの大きなウネリがあり、それと内陸からの大型船の造波がタマタマの周期でぶつかったのかな?と今思う。いずれにしてもあの頃のスキルでよくココを漕いだな自分。
網地島・網地港に到着。海峡のウネリが意外に大きくて久しぶりに船酔いしました。
ココのイメージはあまり変わっていませんでしたが、以前の写真を見ると浜はもっと広く、階段ブロックも足した様です。
暫しのんびり。
前回と同じく網地島を回ろうかと思いましたが、天気良くなって来たので田代島を回ってみます。
晴れて来るとモチベーション上がります。
丁度この時が風止まりだったようで、朝は北西の風でしたがこの後南東の風に変わりました。風波が無いと雄大なウネリが返って不気味です。
網地島と田代島の間にある砥面島。以前は浜があった様に思ったのですが、全て切り立った沿岸に見えます。ウネリがスゴくてあまり近寄れません。
時計周りに田代島を周遊。西側に出ると水綺麗ですが上陸出来そうな地がありません。
水も意外に冷たい。
最初は北の大泊港に行きましたが、漁船スロープしかなかったので仁斗田港へ。
沢山の猫が棲息し、日本最北の猫島だという田代島。
島に着くと沢山のニャンコに囲まれほっこりした絵(写真)が撮れるイメージだったのですが・・・
猫っ子一匹出迎えてくれません(寂)見かけもしない。
通りかかった観光客らしき方に尋ねると先ほどの大泊港がメインで、そこから猫神社付近にニャンコがいっぱい居るそうなので島内を歩いて散策してみます。
ガードの支えニャンコ。
第一島ニャンコ発見!なんとカワイイ仔ニャンコでした。しかも二ぴき。カワイイ〜
その後は点々と
ニャンコ目当てなのでしょう。観光客が多いのに驚きました。
判り難いけど、この写真の中に10匹はいます。
30分程歩いてようやく猫神社到着。遠い上にショボい。猫も2ぴきだけでガックリ。
なんて散策してたら風が強くなって来たので急いで帰ります。
まともな向い風でなかなか進まない。この海峡は漁船や作業船?の往来が多くて横断に気を使います。
休みたかったし、晴れてたし、潮引いてたしで鮫島に再上陸。
そしたらグッドロケーションじゃない。やっぱ青空だよなー
手を加えていない自然というのは形は変わるけど美しいまま。
一方で人造物は壊れると醜い。人類の尺度なんていとも簡単に超越してしまう自然の力。
自然に抗うのでは無く、去なさす様な街づくりって出来ないものなのかなとふと思いました。
最後はパリッと撤収。
躊躇していた三陸の海遊びだけれど一度出れば海は海。海上を漕いでいる限りは以前のままの美しい海でした。これを機にどんどん漕いでいこうと思いました。
ただ一つだけ気になったのは、海鳥が極端に減っていた事。あれだけ居た鳥達は何処へ行ったのでしょう。何となく全般に生命力を感じられなかったのが気がかりです。
5年前の風景はコチラ
そして二週間ぶりのバロン&アイリはメチャクチャ可愛かった。久しぶりに有意義な週末でした。
しかし雨と台風はもうたくさん。そろそろ晴れて穏やかな週末であって欲しいです。