カヤックを始めた頃からの憧れ、というか夢だったカサラノ。
スキル的にも価値観的にも当時の私には別次元の人のカヤックという感じだった。

いつかはクラウン（古）「いつかはカサラノ」を旨に飛び込んだフェザークラフトの世界。
だがFC艇を使うようになり、またFCな方々とご一緒する様になり、逆に興味は薄くなっていった。
自分のカヤックスタイルの方向性が見えて来て、（私のスキルで）より行動範囲を広げられる艇に魅力を感じるようになったからだ。ストイック（＝禁欲的）より快楽的に、速くより遠くへと思うように。
グリーンランドスタイルよりアリューシャンスタイルって感じかな。

それと色もネック。デッキがフラットなカサラノは横から見るとほぼハルの黒しか見えないので、デッキは明るい色が欲しい。現行だと黄色しかなくカフナと被る・・・

というわけで近年はカサラノよりK1exp。
だが私の知ってるK1乗りは偉大な人ばかりでこれはこれでハードル高く
"K1に乗る人（＝相応しい人）"になる事が目標になっていた。


そんな折、セタスさんのお客さんが乗り換えの為カサラノSを手放すと言う。
聞けばハードコーミングだが、色はティールで現行と同じポリテック＆デュラテックの電磁溶着。
興味は薄れたとはいえ憧れの艇、しかもほぼ理想のモデルなのだ（悶）





悩みに悩んだ末（といっても一日くらい）とりあえず見てみたいと笠原氏に打診。
まだ前オーナーさんの新艇が来ないんだけど、前倒してセタスさんに送ってもらい実物を見せて頂くことにしました。





実物を間近にすると、写真で見るイメージとはちと違う感じではありましたが、ちゃんと使われていた風格というか、前オーナーさんの思い入れを感じる。船体布もフレームも航行には問題無さそう。
何より組立てるとやはりかっこいいカサラノ。フォールディング出来るとは思えない美しさです。いっその事カサラノの新艇をオーダーしてしまうか！との衝動に駆られる。
が、そもそもスキル的に不相応なわけだし、新艇を買うとなれば色も"S"か"noS"の悩みも起こる。もちろん金額もぐっと上がりK1も選択肢に入ってきてしまい、結局は夢で終わってしまう気がする。。。

などなど頭の中をいろいろ巡りましたが、今となっては希少なティール・カサラノ＝私の理想。もう二度と無いチャンスかも！と思い、お譲り頂く事にしました。



と決まれば（組んであるし）乗りたくなるのが人情。
ちょうどUさんも遊びに来たので、皆で海に行く事に。





一度試乗した事があるけど海では初めてのカサラノ。
べたーっとした所でまずは試したかったけど、ちょっとウネウネ（汗）沈覚悟で行ってみます！

ところがエントリーでいきなり勝手が違う事に戸惑う。
長い上にフラットデッキのカサラノ。
ウィスパーなら何の問題も無い砂浜でも、長いのでスターンが砂に刺さり後ろは空中でバウは水に浮いているというもの凄い不安定な状態。
これはスプレー着けてのエントリーは無理と馬乗りになって進むと、デッキが低くフラットな為、今度は波がバシャバシャとコックピットに入って来る。
どうやって出艇すればいいの？ゴロタ浜なんか絶対無理！と思ったのでした。
というわけで海上に出た時はコックピット水浸しでブルーな状態。
（いやいやエラいの買ってしまったな。とこの時は真面目に思いました）

ですが一度海上に出るとまさに水を得た魚。
長く重心が低いからかバランスとりやすく、パドルさえ持っていれば思いの外不安無く、ウィスパーとさほど変らない感じ。速い！という感じは無かったけど、艇との一体感がなんか気持ち良く、楽しい艇という感じ。
"S"という事もあるのかもしれませんが、意外に使えるシーンが多そうな第一印象でした。

8年前は夢だったカサラノ。
まさか自分がオーナーになる日が来るとは・・・なんか幸せな一日でした。







割合キレイな艇でしたが、デッキにある多数のサビ染みが気になって・・・ネットでいろいろ調べて試みたけどダメ。諦めていたら、ふとした所で知ったホワイティRなるサビ染み抜き剤が効果覿面！。ラダー付き艇ではよく見る染みですがこれイイです。

その後海へは行けてないけど、時間を見つけては彩湖で組立＆漕ぎ練。
早く大海原をツーリングしたい。（入ったばかりですが）梅雨明けが待ち遠しいです！
前オーナーさまありがとうございます。大事に＆ガシガシと使わせて頂きます。










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